研究のあゆみ
約30年前、シイタケ菌床栽培の黎明期の頃は、原木栽培用品種を使って菌床栽培を行っていたため、きのこの収量も形質も不満足なものでした。
そのような中、北研が新たに作出した菌床栽培用品種がシイタケの歴史を変えました。昭和63年に国内で初めて(もちろん世界初)品種登録した北研600号は菌床栽培で栽培期間が短く、しかも栽培が容易であり、かつきのこの形質が原木栽培ものに匹敵していたことから、きのこ生産者の間で評判となりました。
専用品種の登場と栽培技術の改良が相まってシイタケ菌床栽培の生産方法が確立されていき、冬季の副業作物として採り入れる生産者やシイタケ原木栽培から転換する生産者が増加するようになりました。
平成3年にシイタケ菌床栽培という新分野の創出と展開が評価されて、当時の研究所長が科学技術長官賞を受賞し、その後も上面栽培技術の開発により食用菌類研究所が日本きのこ学会から技術賞を受賞しています。
平成7年にはきのこの形質が厚肉の北研603号が品種登録され、その後も高温性の品種や菌床が丈夫で収量性の高い品種、さらに大型厚肉の品種など、シイタケ菌床栽培用品種が次々と育成され登録されています。
林野庁統計によると、平成25年の生シイタケ生産量6万8千トンのうち菌床栽培の割合が88.7%に達していますが、菌床栽培の50%以上は当社の品種を使用して生産されており、現在、国内生産で多く使われている品種は北研600号、北研607号、北研705号、北研715号などです。
北研が開発した
主な登録品種
品種名 |
登録番号 |
登録年月日 |
---|---|---|
北研600号 |
第1791号 |
1988年11月5日 |
北研603号 |
第4343号 |
1995年3月9日 |
北研71号 |
第9197号 |
2001年7月27日 |
北研607号 |
第10748号 |
2002年9月30日 |
北研73号 |
第14657号 |
2006年12月14日 |
北研705号 |
第18409号 |
2009年9月10日 |
北研715号 |
第24525号 |
2015年9月30日 |
北研788号 |
登録申請中 |
|
北研901号 |
登録申請中 |
|
北研902号 |
登録申請中 |
|