生産者の声

合同会社Torch 様

島根県出雲市

しいたけ栽培はあくまで手段。 全ては利用者さんに利益を還元することにある。

 

【概要】

島根県出雲市にある合同会社Torchは、就労継続支援B型の福祉施設を運営している。Torchという名前は『たいまつ』という意味。みんなの前を明るく照らすという願いを込めた。やりがいを感じることができ、付加価値の高い事業に挑戦するため、2018年よりしいたけ栽培を開始した。

 

【課題】

・通年で収穫でき、収入が安定する農作物
・露地栽培と比べ、栽培環境が安定している農作物
・利用者にとって、繰り返し取り組める作業が幅広くある事業

 

【導入後】

・軽作業や他の農作業と比較して、収益率が良い
・分担できる作業が多いため、事業所の運営がスムーズ
・地域との協力体制やコミュニケーションが活発になった

 

【導入の背景や経緯】

合同会社Torch代表の松本氏は利用者に多く利益を還元したいと考え、事業を模索していた。もともと父親が農業をやっていたこともあり、しいたけ栽培が福祉施設の利用者にとって取り組みやすいのではないかと考えた。

しいたけは露地栽培のような農作物に比べ、安定した栽培環境で生産を行うことができる。このことはしいたけの収穫量の安定と、利用者にとっても良い作業環境であるという2つの利点があった。さらにしいたけ栽培は収益性も高く、何より誰の下請けでもなく自分たちが栽培して自分たちの判断で販売していけるという喜びを共有出来る。

施設にとっても利用者にとってもWin-Winの関係を築けると確信をもった松本氏は、しいたけ栽培を始めることを決意する。

代表 松本 頼明様

 

【導入した結果】

Torchでは北研905号という品種を使っているが、9時から16時までの作業時間、日曜日休みという利用者の作業スタイルにマッチして、安定した収穫ができている。さらにしいたけ栽培は作業が多岐にわたるため、作業分担がしやすいという利点もあった。しっかりと分担ができていれば安定して事業所を運営することができる。

Torchのしいたけの強みは、水分が多すぎないため日持ちがすること。収穫したしいたけはJA出雲に出荷しているが、JA経由で香港へも輸出される。香港への船便は長くて数週間かかるが、それでもTorchのしいたけは鮮度を保っているという評判がある。

一方で、難しいと感じている部分もある。しいたけの栽培を始めた当初は、収量を安定させることに苦労した。失敗を繰り返しながらも、菌床をよく観察することで対策の方法がわかり、現在では安定した収量を得られている。

また就業時間が明確に決まっている利用者に、過不足なく仕事を調整することにも苦労があった。仕事の分担や、それぞれが出来る、出来ないなどの適正を見たうえでの配置、作業内容に合わせた工賃の在り方などは、試行錯誤が必要であると松本氏は話す。

 

【今後の展望】

今後はしいたけ栽培の規模を拡大する予定である。さらにはこれまで行ってこなかった、菌床の製造にチャレンジすることも構想している。菌床の製造を行うことで、利用者に提供できる仕事の幅が更に広がり、収益が向上することを期待している。

最後に松本氏は今後の展望をこのように語ってくれた。

「菌床しいたけは私達にとって利益の手段。何より利用者の方々にしっかりと利益を還元すること、また地域のみなさんや農家の方々、JAさんなどと支え合いながら利益を拡大していくことがとても重要だと考えています。農業にも経営の思考は大事です。私達も常に学び、努力し、地域の皆さんと共同しながらさらに発展していきたいと考えています。」

 

【Company Profile】

合同会社Torch様(島根県)
島根県出雲市荒茅町938
電話番号:0853-77-2689
代表 松本 頼明
事業内容 障害福祉サービス(就労継続支援B型)

お問い合わせは
こちら