生産者の声

合同会社knot 様

奈良市

利用者が生き生きと、意欲的に仕事をするようになりました

 

【概要】

奈良市の市街地にある合同会社knotは、2016年より就労継続支援A型の福祉施設を運営している。当初は請負で軽作業等を行なっていたが、より付加価値の高い事業に挑戦するため、2018年よりしいたけ栽培を開始した。

 

【課題】

・就労継続支援A型として、賃金をまかなえる事業
・さまざまな状況にある利用者が働くために、幅広い作業が発生する事業
・大きな初期投資をかけずに小さく始められる事業

 

【導入後】

・軽作業と比較して、収益の向上
・利用者の生き生きと意欲的に仕事をする姿勢
・しいたけを活用したさまざまな商品展開

 

【導入の背景や経緯】

合同会社knotが行なっていた軽作業の課題は、賃金を賄えるほどの収益がないことと、作業量に変動が大きいことにあった。また軽作業は施設利用者によっては合わないことがあり、さまざまな状況におかれる利用者それぞれに合った作業を用意してあげたいという思いがあった。

その中で代表の香川氏は付加価値の高い農業に着目した。さまざまな農作物を検討する中で、たまたま目に留まったしいたけ栽培を調べると、福祉施設との相性の良さを感じた。屋外の過酷な作業を強いられる農作業に対して、通年安定した環境が保たれる屋内での作業が利用者にもマッチしていた。

一方で課題となったのは大きな初期費用であったが、北研の営業員から小さな投資からでも始められる提案を受けたことで、事業の参入に踏み切った。未参入事業への挑戦は大きな不安があったが、北研営業員の細やかな対応と、熱心な技術指導があったことも大きなポイントとなった。

代表 香川 契様

 

【導入した結果】

製造から販売までを全て自分たちで行うことに不安はあったが、粘り強く続けてきたことで良い結果となり、しいたけの生産をさらに拡大していく予定である。
まず利用者においては、軽作業の時には見られなかった、生き生きと意欲的に働く姿が見受けられるようになった。これはしいたけ栽培が受託産業ではなく、自らが作り手としてたくさんの人にしいたけを届けたいという気持ちが、利用者のモチベーションにつながったと香川氏は考えている。

knotのしいたけの強みは、細やかな管理による品質の良いしいたけであること。さらに市街地にあるという強みを活かし、とれたてのしいたけを近隣の販売店に提供できるということである。徐々に増えていった販売先には、「朝採れしいたけ」のPOPと共にknotのしいたけが並び、「何時に収穫したか」までを記載している。それが功を奏し、knotのしいたけを買いたいというファン層がつくまでになっている。

一方で、自然のものだからこその苦労もある。しいたけ栽培に正解はなく、温度湿度などの環境管理や菌床のメンテナンスは試行錯誤しながら、収穫の質と量を追い求めている。さらにしいたけ栽培は、作業が多岐に渡るため利用者にさまざまな仕事を用意できるというメリットがあるが、その分利用者への作業の説明はより細かく、わかりやすく行う必要があり、これもまた創意工夫が必要な作業である。

 

【今後の展望】

今後はしいたけ栽培の規模を4倍程度に拡大する予定である。利用者により安定した仕事を提供できる一方、しいたけの品質管理もより難易度が増すため、量と質のバランスを両立することが課題であると香川氏は考えている。

さらには自社で直売所を運営することも構想している。自社で直売することで収益が向上し、より多くの賃金を利用者に還元できることや、利用者と地域の方々とのコミュニケーションの機会が増えることで、利用者のさらなるやりがいにつながると感じている。

「今後福祉施設は増えていく一方だが、福祉施設としいたけ栽培はベストマッチ。弊社のような施設が増えてくれたら嬉しい」と香川氏は語る。

 

【Company Profile】

合同会社knot様(奈良県)
<knot>奈良市大宮町4丁目260−1 シティーコープ新大宮103
<キノコ研究所>奈良市四条大路1−2−32
電話番号:0742−81−9586 mail:info@knot-knot.com
HP:https://knot-knot.com
代表社員 香川 契
事業内容 障害福祉サービス(就労継続支援A型)

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